うみねこのなく頃に


うみねこのなく頃に」は、あの有名な「ひぐらしのなく頃に」と同じ作者によるサウンドノベルである。


このゲームは色々な実験的な試行錯誤があり、飽きることがない。
時間をループさせられる登場人物を配置することで、主人公たちは同じ時間軸を何度も違う角度から体験させられる。選択肢で物語の分岐を決めるのではなく、繰り返す時間の中で強制的に異なる分岐を見せられるわけである。ゲームなのに選択肢をなくしてしまうというユニークなゲームだ。
これにより独特の世界観が生まれ、また推理する楽しみだけを味わうことができるようになっている。
ゲーム中では、前の時間軸で殺された人間が、今回は殺されないように試行錯誤するわけである。その殺されない方法を考えるのも、また一興なのである。


だからプレイヤーは初めは必ずバットエンドを経験させられる。
これにより多くの謎が提示され、解決案を考えることを要求される。
謎の提示と謎解きを同時にやらないといけない普通の推理ゲームでは出来ないことだ。


今回のバットエンドは予想通り生存者なし。
出てくる謎は、「トリック」ではなく「マジック」によるものだと示唆さえされる。
「マジック」では解きようがないわけであるが、それではゲームにならないのでそれはないであろう。
作者は、前作が「ミステリー」ではなく「ファンタジー」だと批判されたことへの回答を示すつもりなのかもしれない。
今から続編が楽しみである。