2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

同じ職場の派遣社員の契約が更新されないことが分かった。 つまりはクビだ。彼は次の派遣先を探さないといけない。 それは突然のことで、明日は我が身である。 要らないと判断されればすぐに捨てられる。 私には何故か、それが楽しい。 しかし他人が捨てられ…

与那原恵「自殺志願者という物語」☆

もろびとこぞりて―思いの場を歩く作者: 与那原恵出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2000/06/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (4件) を見る1998年のことである。ドクターキリコ事件というものがあった。 ネットにおいて自殺志…

冲方 丁 「マルドゥック・スクランブル 」(全3巻)☆☆☆☆

マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/07メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 69回この商品を含むブログ (284件) を見るマルドゥック・スクランブルは私が勝手にギャンブル…

高安秀樹 「経済物理学の発見」

高安秀樹氏「経済物理学の発見」という本を買った。 私は理論物理学を勉強しており、数年前まで繰り込み群や格子ゲージ理論を相転移とからめた研究に取り組んでいた。 (その後私は自分の能力に限界を感じ、実家から戻ってくるように頼まれたこともあり研究…

米原万理「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」☆☆

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)作者: 米原万里出版社/メーカー: 角川学芸出版発売日: 2004/06/25メディア: 文庫購入: 27人 クリック: 141回この商品を含むブログ (188件) を見る子供時代の思い出は、何もかもが懐かしい。 特にその時期を共有した…

アントニオ・R. ダマシオの「生存する脳」☆☆

「ロボットの王国」 第三回 アンドロイドサイエンス を引き合いにした「生存する脳」の紹介。生存する脳―心と脳と身体の神秘作者: アントニオ・R.ダマシオ,Antonio R. Damasio,田中三彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/01メディア: 単行本購入: 1人 ク…

佐々木 倫子「Heaven?―ご苦楽レストラン」(全6巻)☆

Heaven?―ご苦楽レストラン (6) (ビッグコミックス)作者: 佐々木倫子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/04/26メディア: コミック購入: 1人 クリック: 31回この商品を含むブログ (59件) を見る墓場の裏という最悪の立地条件にあるレストランを舞台にしたマ…

Heinz J. Rothe「Lattice Gauge Theories: An Introduction」☆☆

Lattice Gauge Theories: An Introduction (World Scientific Lecture Notes in Physics)作者: Heinz J. Rothe出版社/メーカー: World Scientific Pub Co Inc発売日: 2005/07/30メディア: ペーパーバック クリック: 7回この商品を含むブログ (1件) を見る格…

ポール クルーグマン「クルーグマン教授の経済入門」☆☆☆☆☆

私は本の「押し付け度数」を星1〜星5で表現している。 私が星5つを付けるのは文句なしに面白い本だ。 他の本は読んで面白くなかっとしたら、それは本を薦めた私の責任である。 文句を言われたら素直に謝罪したいと思う。 ただし、星5つについては違う。 …

中崎 タツヤ「じみへん」(1〜6巻)+ (しぼり汁)(たたき売り)(2008年4月現在)☆☆

じみへん (2) (スピリッツじみコミックス)作者: 中崎タツヤ出版社/メーカー: 小学館発売日: 1992/10/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見るじみへんは見開き2ページのギャグマンガが延々と続く。 以下笑えた話の一つを文章で…

入江 亜季「群青学舎」(〜3巻/2008年4月現在)☆

群青学舎 二巻 (BEAM COMIX)作者: 入江亜季出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2007/06/25メディア: コミック購入: 5人 クリック: 41回この商品を含むブログ (123件) を見る一話完結型で様々な物語が展開される。 恋愛寄りの話が多い。 優秀な魔女の…

一條 裕子「2組のお友達。」 (緑の本) (橙の本)☆

2組のお友達。 (緑の本) (Big spirits comics special)作者: 一條裕子出版社/メーカー: 小学館発売日: 1999/06メディア: コミック クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見る山奥の小学校、そこでは何故か二人の児童「たろう君」「はなちゃん」とお年…

死の勝利

人は「その時」が来るまで「その時」のことを考えない。 それは高確率で起きるのに、そのことを考えない。 パンデミックはある日突然始まる。 それは新型ウィルスの世界規模の爆発的感染である。 昨年末に鳥インフルエンザの人から人への感染がパキスタンで…

言論の自由について

私は言論の自由を大事にしたい。 それは私が他人を際限なく罵りたいからであり、また好き勝手に罵倒されたいからである。 人に会っては人に噛み付き、仏に会っては仏に噛み付く。 今日は陰謀主義の左翼に石を投げ、明日は歴史修正主義の右翼に石を投げる。 …

N.グレゴリー マンキュー「マンキュー マクロ経済学 第2版〈1〉入門篇」☆☆☆

マンキュー マクロ経済学 第2版〈1〉入門篇作者: N.グレゴリーマンキュー,N.Gregory Mankiw,足立英之,中谷武,地主敏樹,柳川隆出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2003/03/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 75回この商品を含むブログ (31件) を見…

川畑 聡一郎「S60チルドレン」(全4巻)☆☆

S60チルドレン 3 (イブニングKC)作者: 川畑聡一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/04/22メディア: コミック クリック: 2回この商品を含むブログ (12件) を見る昭和60年代の4年間を小学生として過ごした少年少女の成長を描いたマンガ。 主人公の独白で…

下條 信輔「視覚の冒険―イリュージョンから認知科学へ」☆☆☆☆

視覚の冒険―イリュージョンから認知科学へ作者: 下條信輔出版社/メーカー: 産業図書発売日: 1995/04/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (3件) を見る人間の視覚が進化の産物であることを身をもって知ることができる「体験する…

岩田 規久男「日本経済を学ぶ (ちくま新書)」☆☆☆

日本経済を学ぶ (ちくま新書)作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/01/01メディア: 新書購入: 11人 クリック: 127回この商品を含むブログ (74件) を見る経済学を知らない人間は社会について解説する資格を持たないと私は思う。 この経済学…

冲方 丁「カオス レギオン02 魔天行進篇」☆☆☆

カオス レギオン02 魔天行進篇 (富士見ファンタジア文庫)作者: 冲方丁,結賀さとる出版社/メーカー: 富士見書房発売日: 2003/12メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (58件) を見るファンタジー小説でありながらテーマは移民。 敵の核爆弾のごと…

宮原 るり「となりのネネコさん」 (〜2巻/2008年4月現在)☆

となりのネネコさん (1) (ウンポコ・コミックス)作者: 宮原るり出版社/メーカー: 新書館発売日: 2007/03/25メディア: コミック購入: 6人 クリック: 31回この商品を含むブログ (47件) を見る女の友情は仲良しごっこみたいで私は苦手である。 友情依存症と揶揄…

猪木 慶治, 川合 光「量子力学(1)(2)」「基礎量子力学」☆☆

基礎量子力学 (KS物理専門書)作者: 猪木慶治,川合光出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/10/12メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (8件) を見る量子力学は多彩な分野で使われるようになった。 だから量子力学に…

カラスヤサトシ「カラスヤサトシ」(〜3巻/2008年4月現在)☆

カラスヤサトシ 3 (アフタヌーンKC)作者: カラスヤサトシ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/03/21メディア: コミック購入: 4人 クリック: 22回この商品を含むブログ (51件) を見る日常生活において人は他人に言えない、言う必要もない些細な奇行、他愛も…

一覧

はじめに (日常雑感、エッセイ)カラスヤサトシ「カラスヤサトシ」(〜3巻/2008年4月現在)☆一條 裕子「2組のお友達。」 (緑の本) (橙の本)☆中崎 タツヤ「じみへん」(1〜6巻)+ (しぼり汁)(たたき売り)(2008年4月現在)☆☆与那原恵「自殺志願者と…

はじめに

私は面白い本を見つけると他人に読ませたくなる人間である。 無理矢理人に押しつけて、時には目の前で強制的に読んでもらい、その作品の存在を知って欲しいと思う押し付けがましい奴である。 もっともそんな強引なマネは知人だからできることで、ネットでの…

陰謀論は思考の墓場である。 平和運動家の中にはアメリカ政府を非難するしか能のない人がいる。 そして彼らは9.11のテロはアメリカの謀略だと主張することがある。 妄想に依存しないと自分の意志を主張できないというのは哀れである。 たとえば国会で9.11事…

児童労働に賛成する

1993年、4万人の子供が砕石現場での危険な労働や児童買春をする境遇に追いやられた。 その原因を作った人びとは、恐ろしいことに自分たちは良いことをしたと思っていたのである。 1992年、大企業が発展途上国で児童を労働力に使用している事実に注目した人…

「責難は成事にあらず」の解釈について

「責難は成事にあらず」と私は以前に書いた。 これを「対案を出せない意見に価値はない」という教訓だと思った人がいたようだ。 ああ、やっぱり、そんなふうに解釈されてしまった。 本当に言いたいことは相手に一度で伝わるものではないのだと思った。 私の…

何かをする前に(2)

(前回までのあらすじ) 200万円で何かをしたい私は起業について検討した。 だがそんなことは論外だと思うのであった。 前回の話で私はあえて一番大事な話をしなかった。 そしてこれからもしばらくの間、その話をするつもりはないのである。 それは組織の目…

何かをする前に(1)の補足

(前回までのあらすじ) 200万円を手にした私は何かをしようと思った。 しかし会社を作るのは無理だと思うのであった。 会社組織を維持するには、それがどんな小さなものでも数千万円規模の大金を必要とする。 私の会社の場合は、一番若い社員でも年400万…

何かをする前に(1)

(前回までのあらすじ) 私は思わぬところで200万円相当の株券を手に入れた。 私はそれを使って何かをしようと思うのであった。 しかし、200万円という金額は、何かするためには少なすぎる金だと思えるのである。 何かをしたいと思うのならば、まず組織を作…